信州山里だより
2014-09-04
先週の山歩き
いよいよ夏のきのこと初秋のきのこが入り交じり始めました。
秋の訪れを教えてくれるきのこは
ナラタケモドキとウスムラサキホウキタケです。
どちらもおいしさは普通ですが
秋の到来をかみしめながら食します。
ナラタケモドキ
ウスムラサキホウキタケ
夏のきのこはまだまだ主流でヤマダリタケモドキ
アカヤマドリ、アカジコウなどが元気よく出ていましたが
なかなか採れないセイタカイグチが出ていました。
セイタカイグチ
セイタカイグチは赤みを帯びた柄に白い線が隆起する
とても特徴のあるきのこですが
三星級のおいしいきのこです。
詩人、室生犀星が愛したアカジコウは幻に近いきのこですが
実はこれによく似たきのこが存在します。
ニセアシベニイグチです。
このきのこはきのこの本では毒となっていますが
実はおいしいきのこ
「人によっては当たる」とやっかいな表現になっていますが
昔は食菌となっていました。
外見での判断はなかなか難しいのですが
2つに割ってみるとニセアシベニイグチのスポンジ部分が
すごく薄いので見分けがつきます。
アカジコウ
ニセアシベニイグチ
タマゴタケがたくさん採れました。
今日はタマゴタケの一生を写真で追ってみましょう
タマゴタケの乳児時代
タマゴタケの子供時代
タマゴタケの青年時代
タマゴタケの壮年時代
タマゴタケの中年時代
2014-08-28
先週の山歩き
お盆頃は天候が悪く雨がちで山に入れませんでした。
そんなことで先週号はお休みさせて頂きました。ごめんなさい。
さて先週は少し暑さも振り返しましたが、
相変わらず天候不順で
なんとか雨の降らない日を見つけて山に入りました。
涼しい日が一時続いたので、
秋の初めのきのこが出ているかなと探してみました。
やはり出ていました。初秋のきのこナラタケモドキです。
ナラタケモドキ
このきのこが採れ出すと私のきのこ採りは一気に秋モードに入ります。
他の初秋のきのこも出ているかと探してみましたが出ていませんでした。
秋はもう少し先のようです。
この時期森の中に目立つきのこが出ています。
ベンナギナタタケです。
味気のない褐色の森の中でその朱色と
ユニークな形はきのこの多様性を痛感させてくれます。
ベンナギナタタケの幼菌は
猛毒のカエンタケに似ているので要注意です。
ベンナギナタタケは一応食べられますが
あまりおいしくありません。
やはり森の中は夏のきのこが主流でした。
アカヤマドリ、アイタケ、アンズタケ、
ヤマドリタケモドキ、カバイロツルタケなどが出ていました。
アカヤマドリ
アイタケ
アンズタケ
カバイロツルタケ
2014-08-15
先週の山歩き
2014-08-08
8月2,3日の山歩き
高原の夏は様々な生物がそれぞれの生を謳歌しています。
フジバカマの群生地帯には花の蜜を求めて
アサギマダラやタテハチョウの仲間が集まります。
マルバフユイチゴは高原一帯に群生し、
その赤い実と緑の葉はツートンカラーの絨毯のようです。
時々お料理のあしらいなどに利用しますが、今年は果実酒にしてみます。
秋にはほのかに甘い酸味のあるお酒ができあがるでしょう。
夏に一番採りたいきのこがあります。
幻のきのことも言われています。
その名はアカジコウ。
かつて軽井沢に住んだ詩人室生犀星が
「キノコの第一はマツタケにあらず。アカジコウなり。」
と讃えたきのこでもあります。
バラ色の傘にレモンイエローの柄をした美しい姿は夢の中にも出て来ます。
そんなアカジコウに今夏初めて出会うことができました。
今回はもう一つおもしろいきのこを紹介しましょう。
イグチ類やベニタケ類のきのこに寄生し、
その姿をまったく変えてしまうという不思議なきのこで、
名前をタケリタケと言います。
相変わらずアカヤマドリ、ヤマドリタケモドキも元気に出ています。
2014-09-10
先週の山歩き
秋のきのこが順調に出てきました。
イッポンカンコー(ウラベニホテイシメジ)、ジコボウ(ハナイグチ)
アカンボウ(サクラシメジ)、ナラタケモドキ、クリフウセンタケ
カヤタケと言ったところです。
イッポンカンコー1
イッポンカンコー2
ジコボウ
アカンボウ
ナラタケモドキ1
ナラタケモドキ2
クリフウセンタケ
カヤタケ
長野市内でジコボウと呼んでいるものにもう一種類
ヌメリイグチがあります。
同じジコボウでもハナイグチは唐松林
ヌメリイグチは赤松林に出ます。
人気は圧倒的にハナイグチです。
ヌメリイグチ
ところでヌメリイグチに似たきのこで
チチアワタケというきのこがあります。
チチアワタケは有毒です。
若いうちは傘の裏から乳が出ますが
大きくなると乳も出ず、ヌメリイグチと見分けがつかなくなります。
ヌメリイグチは柄の上部にツバがあるので
本来は見分けがつくのですが時として
そのツバが無くなっているものがあり、判定に苦労します。
チチアワタケ
チチアワタケ(左)とヌメリイグチ(右)