信州山里だより

2014-05-23

5月18日の山歩き



車が山道のカーブを曲がった時、
2頭の熊があわてて道を横切っているところでした。
1mくらいの若熊でしょうか。
やせてもいず、毛並もつやがあり、食糧事情も良好そうでした。
人もそこそこ歩く道なのでやや意外な気がしましたが、
改めて危険はどこにでもあることを痛感しました。

山菜の方はエラがちょうど採り頃で、
山に入っている人達はほとんどがエラ狙いのようでした。
エラはくせのない山菜でいろいろな調理法で楽しめます。



エラ20140518era.JPG

 

ユニークな形をしたヤブレガサは
前に紹介したモミジガサの仲間で
その形を利用した天ぷらはとても人気があります。



ヤブレガサ20140518yaburegasa.JPG

  


ソバナは日陰の急斜面に生え、茎を折ると白い乳が出ます。
甘味のあるおいしい山菜です。



ソバナ20140518sobana.JPG

 

 

山野草もいろいろ楽しめます。
アズマイチゲは雪解けを待つかのように早春に咲く可憐な花です。
高地の残雪の近くではまだ咲いています。



アズマイチゲ20140511azimaitige.JPG

 

 

ヤマシャクヤクは林の中で秘やかにそのふくよかな花を咲かせています。


ヤマシャクヤク20140518yamashakuyaku.JPG

 

色違いの花を二種類。
初めはシロバナエンレイソウです。
当然名前の通り白い花を咲かせるのですが
時々ピンク色のものを見かけます。


シロバナエンレイソウ20140518sirobanaenreisou.JPG

 

 

シロバナエンレイソウのピンクバージョン21040518sirobanaenreisou2.JPG



ニリンソウにも変わり種がいます。
今まで見たのは緑色のものと薄紫色のものです。
今回は緑色バージョンです。


緑色のニリンソウ

20140518nirinnsou.JPG

 

 

 


 

2014-05-14

5月11日の山歩き



今日は晴天。
絶好の山菜採り日和!

戸隠から眺める北アルプスは神々しいまでに美しい!!



戸隠から眺める北アルプス20140511kitaarupusu.JPG

  


という訳で山菜本番であろう山に向かいました。
到着してみるとやや想像とは違っていました。

出方が遅いのです。例年より1週間から10日は遅い!
まだ出ていなかったり、採り頃に達していなかったりです。
とはいえ採れるものもたくさんありました。

ユキザサは雪をちりばめたような可憐な花を咲かせますが、
山菜としても一級品。
甘くてくせのない味は万人向きでしょう。



ユキザサ20140511yukizasa.JPG

  


モミジガサは東北で人気のある山菜。
独特の香りが山菜採りを魅了します。



モミジガサ20140511momijigasa.JPG

  


トリアシショウマは文字通り若芽の姿が鳥の足に似ています。
くせのない味わいでお浸しにします。



トリアシショウマ20140511toriasishouma.JPG

 


ウドブキは正式名ヨブスマソウ、イヌドウナの地元名ですが
その香りの高貴さは山菜マニアの中で一番人気かもしれません。



ウドブキ20140511udobuki.JPG

 


ゴマナは高原のどこにでも見かける山菜ですが
特徴がつかみにくいため、あまり利用されません。
おいしい山菜です。



ゴマナ20140511gomana.JPG

  


ヤマウコギはとげのある低木でその若芽を利用します。
タラノメやコシアブラ、ウドの仲間です。
お浸し、天ぷら、うこぎご飯などにします。



ヤマウコギ20140511yamaukogi.JPG

  


ウスバサイシンは山菜ではなく漢方薬として有名です。
その根には解熱、鎮痛作用があり、
細辛(サイシン)という生薬になります。
林の下でひっそりと暗紫色の花を咲かせます。



ウスバサイシン201405114usubasaisin.JPG

 

 

 

 

 

2014-05-07

5月4日の山歩き


この時期の山の姿はほのぼのと柔らかく、おおらかで

まさしく「山笑う」の風情で

いくら眺めていても飽きることがありません。

 

標高のそこそこ高い山々も芽吹きの時期となり、

本格的な山菜の時期を迎えようとしています。

 

「山笑う」風情

20140504yamawarau.JPG

 

 

 

ピンク色の正体は山桜

20140504yamazakura.JPG

 

 

 

 

コゴミは盛りとなり、今後は標高の高い山狙いとなります。

 

コゴミ

20140504kogomi.JPG

 

 

 

 

ハナイカダは葉の中央に直接花が咲く様子が

人がイカダに乗っている姿に似ている、くせのない山菜です。

 

ハナイカダ

20140504hanaikada.JPG

 

 

 

 

ハナイカダのアップ

20140504hanaikada2.JPG

 

 

 

 

アケビの花も賑やかに咲いていますが

秋に実がなるまでどんなドラマがあるのでしょう。

 

アケビの花

20140504akebinohana.JPG

 

 

 

アマドコロは甘くておいしい山菜ですが

なかなか群生しないので収量は少ないです。

 

アマドコロ

20140504amadokoro.JPG

 

 

 

 

少し標高の高い所ではシャクが生長し始め

セリのような、ニンジンのような特徴のある味わいは

おひたしが一番でしょうか。

 

シャク

20140504syaku.JPG

 

 

 

 

この時期採れるきのこにアミガサタケの仲間があります。

フランスではモリーユと言って珍重されますが

日本ではあまり食べる習慣がありません。

森の中にひそやかに出ています。

 

アミガサタケ

20140504amigasatakenonakama.JPG

 

 

 

 

 

2014-04-30

4月29日の山里歩き


陽気もよくなって本格的な山菜の時期がスタートしているだろうと
期待をふくらませて山に向かいましたが
「今年もしみじみと花見はできなかったな」と一抹のさみしさも
感じていました。

その瞬間「そうだ、芋井の神代桜が見頃かもしれない」という想いが
脳裏に走り、急遽寄り道をすることにしました。
結果は大正解でちょうど満開を迎えていました。
全体の花のボリューム感と太い幹の存在感は圧倒される迫力でした。



神代桜20140429jindaizakura.JPG


さて、山菜の方はコシアブラがやや早めでしたが
採れる状況になっていました。
イワガラミはきゅうりの香りがするさわやかな山菜で
お浸しや天ぷらに、リョウブは火を通しても目減りしない山菜で
飢饉の時の救荒食として利用されました。



コシアブラ20140429kosiabura.JPG


イワガラミ20140429iwagarami.JPG

 

リョウブ20140429ryoubu.JPG


林の中にはクロモジの可愛らしい花もひっそりと咲いていましたが
クロモジは楊枝の代名詞でもあり、
その枝を折ると甘いしょうがのような高貴な香りがします。



クロモジ20140429kuromoji.JPG


地面に出る山菜は日影のところどころに雪が残り、
後1週間くらいで出始めそうです。
代わりに可憐な草花達が迎えてくれました。



エンレイソウ20140429enreisou.JPG

アズマイチゲ20140429azumaitige.JPG

 


ヤマエンゴサク20140429yamaengosaku.JPG

 


アマドコロ20140429amadokoro.JPG

 

 

 

 

2014-04-23

4月20日の山里歩き


この時期になると山里の畑や田んぼも人の動きが出てきます。
よく見かけるのは2人だけで耕作している老夫婦の姿です。

結婚してから50年近くも一緒に働いて来たのかもしれないと思いますと、
家でも職場でもずっと顔を合わせて生きてこられたということになり、
とてもすごいことだと感動してしまいます。
自分にはとてもできない・・・・・・。

そうかと思いますと、山里の耕作放棄地が年々増え、
このような寂しい姿になるのにどんなドラマがあったのだろうと
考えてしまいます。

山里の耕作放棄地の姿20140420kousaku houkiti .JPG

 


今年はまだまだ寒く、標高の高い所はフキノトウやカンゾウも採り頃です。

フキノトウ20140420fukinotou.JPG

 


カンゾウ20140420kanzou.JPG

 

 


標高の低い方はワサビやジュウモンジシタが生長しています。
ジュウモンジシダは天ぷら向きです。

ワサビ20140420wasabi.JPG

 


ジュウモンジシダ20140420juumonnjisida.JPG

 


心温まる春の山野草も花を咲かせ始めました。

カキドウシはハーブのような香りがあり、サラダにすると
とてもいいアクセントになります。

カキドウシ20140420kakidousi.JPG

 


シュンランは松の多い林の中にひっそりと可憐に咲いています。
お吸い物などに入れるととてもインパクトがあります。

シュンラン20140420shunran.JPG

 


スミレ類はどれも食べられるということですが、
その可憐な花のゆえまだ食べたことがありません。

タチツボスミレ20140420tatitubosumire.JPG