信州山里だより
2013-04-03
4月3日の山菜採り日記
今回は野や山でなく、街中に食べられる草がないかと
お店の周りを散策してみました。
まず目に付いたのはオオイヌノフグリとヒメオドリコソウ。
可憐なコバルトブルーとピンクの花ですが
どちらもヨーロッパ原産の帰化植物で、そのたくましい生命力により
街中にも勢力を拡大しています。
残念ながら食べられません。
オオイヌノフグリヒメオドリコソウ次はギシギシ。
どこにでも見かける雑草ですが、別名オカジュンサイと言って
食べられます。
中心にあるさや状のぬるぬるした若芽を食べますが、
酸っぱくてほろ苦く、酢の物や和え物にします。
ギシギシ次はナズナ。
春の七草のひとつで、おひたしにすると小味があってとてもおいしいです。
私の大好きな野草の一つです。
ナズナは花の状態になるとぺんぺん草と呼ばれますが
これは実の形が三味線のバチに似ているからです。
「ぺんぺん草が生える」...荒れ果てた状態、
「ぺんぺん草も生えない」...何にも残っていない状態
で言葉の使われ方はどうもかんばしくありませんが、
すぐれた野草です。
ナズナ次はタネツケバナ。
クレソンの仲間でさわやかな香りがあり、サラダやおひたしにして
食べます。
タネツケバナ次はヨモギ。
団子にしたり、天ぷらにしたりして食べますが
春の香りを身近で感じさせてくれる野草ですね。
ヨモギは食べるだけでなく世界的な民間薬でもあります。
日本ではお灸のもぐさの原料として有名ですが
お茶にして飲むと肝臓病、気管支炎、高血圧、婦人病、神経痛などに
利くそうです。
また美容やダイエット効果もあるそうです。
ヨモギ次はノゲシ。
傷つけると白い乳液が出ますが早春から食べられる野草です。
やや苦味がありますが、サラダ、天ぷら、おひたしなどで食べます。
ノゲシ最後はノボロギク。
この草は今日ご紹介した中で唯一毒草です。
ヨーロッパ原産の帰化植物ですが発癌物質を含むそうです。
ノボロギク
という訳で、街中のわずかな土地にも食べられる草は
いろいろあります。
これから散歩に最適な季節となりますが
街を歩きながらこんな自然の生命力探しをしてみてはいかがですか。
2013-03-29
3月23日の山菜採り日記
春が進行して来ました。
先週は出始めだったカンゾウも
本格的に出始め、自然の息吹きの力強さを実感させてくれます。
カンゾウ
ツクシが出始めました。
春のイメージを思い浮かべる時に、確固たる存在感を示すツクシ。
子供の頃、道端に出ている姿を見付けると
思わず摘んでしまった可愛らしいツクシですが、
春の食材としてもかなりのすぐれものです。
私が酒の肴として大好きなのは佃煮です。
醤油の味と独特のほろ苦さがからみ合い絶妙のつまみとなります。
広範囲に利用でき、和えもの、寄せもの、酢のもの、卵とじ、
ツクシご飯など、いろいろ楽しめます。
ツクシ次はナズナ。
長野の人にはそれ程人気がありませんが、
中信・東信の人はよく食べられるようです。
おひたしにして食べますが、独特の小味があって
我が家でも大変人気の野草です。
ナズナ最後はヨモギです。
こちらもごく身近な野草で、ご存知の方も多いですが
そのすぐれた全容は意外と知られていないのでは?
お料理としては、ヨモギだんご、煮びたし、天ぷらなど
いろいろ楽しめますが、天ぷらにすると天ぷら油に臭いが
ついてしまうので気を付けて下さい。
ヨモギは世界中で広く用いられる民間薬で
日本ではお灸のもぐさの原料として有名ですが
その他にも、お茶にして飲むと、
肝臓病、気管支炎、止血作用、婦人病、高血圧、神経痛、
水虫などに薬効があり、
又、美肌、ダイエット、ストレス解消などの美容効果もあります。
ヨモギ
2013-03-22
3月17日の山菜採り日記
4ヶ月の冬眠を経て、ようやく野に出ました。
暖かな3月の日差しのおかげで、
風のないところでは陽だまりのように居心地が良く、
そのまま眠ってしまいそうでした。
カンゾウが出て来ました。
カンゾウは私の大好きな野草で、
名前のとおりほのかな甘みとくせのない味わいは
どんな料理にも向くすぐれものです。
カンゾウ
子供の頃この実を使って笛にして遊びました。
若芽の部分だけを摘んで辛煮にしたり、天ぷらにします。
カラスノエンドウ
軽く味噌漬けにすると酒の肴に最高。
他にもちょっとくせのある味わいは、おやきにしても
おいしいですし、存在感のある料理ができ上がります。
ノビル
こちらも子供の頃、茎をかじってくせになるその酸味を楽しみました。
スイバはフランス料理でも使われ、主に魚料理のソースになります。
スイバ
こちらはヨーロッパ原産の帰化植物。
最近の長野市近辺では、みるみる勢力を拡大しています。
5月~6月に戸隠の道路沿いに
見事に黄色の花を咲かせています。
クレソンに似た味わいですが、より苦味が強いです。
おひたしや、サラダにします。
ハルサキヤマガラシ
2012-11-08
2013-04-10
4月6日の山菜採り日記
この時期の山菜採りは里と里山を行ったり来たりする。
里ではツクシやカンゾウ、ナズナ、カラスノエンドウ、フキノトウ
などを採り、里山では早目に採れる山菜を頂戴する。
今日は今年度里山で本格的に採り始める初日となった。
と言っても採れるものは限られている。
ニワトコ、コゴミ、ワサビなど。
4月初めの里山はまずダンコウバイの明るい黄色の花が
山の春の到来を告げてくれる。
それに続き、キブシの花も黄色に色づいて来る。
ダンコウバイは香りが強く、一輪挿しに活けておくと部屋中に
香りが立ち込める。
朝鮮では種子の油を頭髪用に用いたそうである。
ダンコウバイ
キブシは花房が垂れ下がり、独特の雰囲気を持つ花だ。
その実にはタンニンが多く含まれ、江戸時代には「お歯黒」の
原料にされたそうだ。
キブシニワトコは私が北信濃の里山で一番最初に採る山菜で、
4月初めから採れ始める。
最初からつぼみができていて、大きくなると山のブロッコリーと
言われるようなブロッコリー状となる。
つぼみや葉を天ぷらや和え物にして食べる。
ニワトコは別名接骨木(セッコツボク)と言って湿布剤として使われた。
又、腎臓の薬としても有名で、他にも利尿、解毒、鎮痛抗菌、神経痛
リウマチにも効くそうだ。
ニワトココゴミが出始めた。
私の入る里山はそんなに群生していないが、4月の下旬に
もう少し標高の高い山に入ると、まさに雑草のごとく群生し、
採る元気がなくなってしまう程だ。
コゴミ今日最後はワサビ。
長野市周辺の里山で清水が湧いていたり、清らかな流れのあるところには
ワサビの群生地がかなりある。
今日行った場所は一番早く生長する私のワサビ畑。
お浸しにすると最高ですね。
ワサビ